人手不足や商品の品質といった課題を解決するため、大手スーパーマーケットを中心にプロセスセンターがつくられています。
プロセスセンターを利用することで、店舗のオペレーションを改善することはもちろん、コスト削減など様々なメリットを出すことができます。
外部の食品工場に委託製造を依頼するよりも、自社で儲けたプロセスセンターで加工を行なった方がオリジナル性のある商品開発も可能です。
この記事では、生鮮食品のプロセスセンターについて、その役割やポイントなどを解説いたします。
食品の流通において重要な役割を担うプロセスセンターについて理解を深めましょう。
プロセスセンターとは?
プロセスセンターとは、通常店舗において行われる食品の仕入・加工・配送をまとめて行う工場のことです。
主に生鮮食品である肉・魚・野菜がプロセスセンターでは取り扱われます。
英語でProcess centerと表記するため、PCと略されて呼ばれることがよくあります。
大量の店舗を持っている大手スーパーマーケットを中心に、多くの企業がプロセスセンターを自社で設けています。
インストア加工
インストア加工とは、店舗で食品を加工することをいいます。
仕入れた原料を店舗内のバックヤードで加工し、パック詰めして販売するという方法で、スーパーマーケットといえばこの形式を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
インストア加工をすることによって、朝イチで加工した生鮮食品をすぐに店舗で販売し、その日のうちに消費者が食べることができます。
セントラルキッチン
プロセスセンターとセントラルキッチンの役割は同じです。
プロセスセンターは小売業界で使用される言葉なのに対して、セントラルキッチンは外食産業で使用されます。
セントラルキッチンは、学校などの施設や飲食店で提供する食事を一箇所でまとめてつくり、配送するという働きをしています。
プロセスセンターの役割
店舗に代わって食品の加工を行う
人手不足が叫ばれる中、店舗ごとに人を雇うのは大変なことでもあります。
プロセスセンターをつくることによって、そこに人を集中させることができ、効率的に加工を進められるため人手不足の解消になります。
また、店舗で加工を行う時間を別のことに充てられるようになるため、他の業務改善にもつながります。
加えて人件費も抑えれるのでコスト削減にもなります。
品質・加工技術の標準化
プロセスセンターから各店舗に配送するということは、プロセスセンターに技術の優れた人や施設があれば、品質や加工技術を全店舗で標準化することができます。
インストア加工では店舗ごとで加工をする人が違うので、技術のばらつきがどうしても出てしまう可能性があります。
また、店舗には置けないような最新の機械も導入することができ、より美味しい食品を消費者に届けられるようになります。
食品の研究を行う
自社のオリジナル商品として食品加工ができるプロセスセンターでは、より親密性のある食品研究が行いやすいです。
培ってきた独自のノウハウを外部に漏らすことなく品質や味の改善を進められるため、開発機関としての一面も持っています。
プロセスセンター運営の鍵は物流
鮮度の問題
加工した商品をすぐに店舗へ並べることのできるインストア加工と違い、プロセスセンターで加工された商品は、店舗へ配送しなければならないという制約があります。
近い店舗では特に問題はないかもしれませんが、どうしても物理的に遠い店舗も存在します。
そのため、プロセスセンターで加工した商品はいち早く店舗に届けられる必要があります。
加えて配送している途中の品質劣化をなくすため、チルド車や温度管理といった品質維持の設備も整えましょう。
いくつもの店舗へどう運ぶか
物流のルート構築も一つの課題です。1店舗につき1車を手配していては、費用がかかりすぎて現実的ではありません。
そこで大切なのが、エリアごとに一番効率の良い配送ルートを組むことです。
お店に必要な数量を明らかにし、どのようなケースに入れて運ぶのか、いつまでに届けないといけないのかという配送の仕組みも事前に検討を重ねておく必要があります。
そのほか物流センター
ディストリビューションセンター
ディストリビューションセンター(通称DC)とは、在庫型物流センターのことです。
商品を大量に在庫し、必要な数量だけ商品を出荷します。
メーカーや問屋、小売企業など様々な企業がこのディストリビューションセンターを持っています。
常温の倉庫はもちろん、倉庫自体が巨大な冷蔵庫や冷凍庫のようになっているチルド型のセンターもあります。
トランスファーセンター
トランスファーセンター(通称TC)とは、通過型物流センターです。
ディストリビューションセンターとは違い、在庫を持たず、届いた商品をそのまま小分けして配送します。
保管スペースが必要ないためディストリビューションセンターより小規模な運営ができますが、商品の不足があった場合、すぐに出荷できない可能性もあります。
さいごに
プロセスセンターをつくることによって、店舗における人手不足やコスト増など様々な課題を解決することができます。
インストア加工にもより新鮮な食品を消費者に届けられるといったメリットがあるため、プロセスセンターとインストア加工の良さの両方を活用する小売企業は多くあります。
実際にプロセスセンターを運営するためには、消耗品や機械などの資材が必要になります。
中部流通ではプロセスセンター運営に必要な資材・消耗品を取り扱っておりますので、お困りの方はぜひお気軽にお問合せください。
まとめ
プロセスセンターとは?食品の流通において重要な役割を担うプロセスセンターについて理解しよう
プロセスセンターとは、通常店舗において行われる食品の仕入・加工・配送をまとめて行う工場のことです。
プロセスセンターは、人手不足や店舗におけるコスト増などの課題を解決することができます。店舗に代わって食品の加工を行う、品質・加工技術の標準化、食品の研究を行うという役割があり、運営には物流構築も大切です。
キーワード
- プロセスセンター
- インストア加工
- 物流