2023.04.08

食品が消費者に届くまでの流れを知って流通の仕組みを理解しよう!

私たちが普段食べている食品は食卓に届くまで様々な場所を通ってきます。
普段何気なく買っている食品の裏面を見ると、原料や製造者の表示があります。

そういった原料を生産している生産者や、食品を製造する製造者など様々な人たちも関わっています。

毎日美味しい食品を食べることができるのは、食品加工に関わる人たちの努力や技術のおかげです。

また、食品が消費者に届くまでの流れを知ることは日本における流通の仕組みを理解することにつながります。

この記事では、食品が消費者に届くまでの流れを詳しく解説いたします。

他にもサプライチェーンマネジメントという流通に関するキーワードも解説しますので、流通について興味を持っていただければ幸いです。

食品が消費者に届くまでの流れ

食品を製造するのは食品メーカーですが、私たちが食品メーカーから直接食品を買うことはまずありません。

買い物をする時は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店に行きますよね。

また、食品メーカーから小売店に直接食品が配送されるということもほとんどありません。

どのように食品を運ぶべきか最適な流通が考えられた結果、流通の仕組みができあがりました。

食品が消費者に届くまでの流れは以下の通りです。

流通の仕組み

原料メーカー・生産者

食品には様々な原料や添加物が使われます。

食品メーカーはそういった原料を原料メーカーや生産者から仕入れて加工しています。

野菜の自家栽培など食品メーカー自身が生産機能を持っている場合もあります。

食品メーカー

食品を加工、製造します。原料から食品を作り、袋や瓶、缶などで包装をします。

食品を作るための製造設備はもちろん、保管するための倉庫や品質を守るための人員を持っています。

大手メーカーになると、全国に工場や営業拠点があって日本中の人に自社の食品を食べてもらうことができます。

問屋

私たちの生活に直接関わることが少ないためあまり馴染みがないかもしれませんが、問屋は食品メーカーと小売店をつなぐ重要な役割を担っています。

各食品メーカーがそれぞれ小売店に物を届けていては、物流の人手不足や届く時間がバラバラになってしまうなど大変なことになります。

そのため問屋があらかじめ各食品メーカーから食品を仕入ておき、必要なものまとめて小売店に配送するという効率的な流れになっています。

小売店

生鮮食品、加工食品という私たちの生活に必要な食品をお店に並べて販売します。

野菜、魚、肉といった生鮮食品はバックヤードで加工されてから販売されます。

加工食品は専門用語で「グロッサリー」と言い、牛乳や豆腐など賞味期限が短い食品は「日配」と言います。

大手小売になると店舗数はかなり多くなります。そのため、自社で各エリアに配送センターを設けてそこからルートを組み各店舗へ配送を行う小売も存在します。

消費者

スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどお店に行って食品を購入します。最近ではネット注文する方も多いのではないでしょうか。

食品を購入する際は、製造者の食品表示を確認してみると遠いところから運ばれてきた食品かもしれません。

食品の保存技術や配送網の発達のおかげで私たちは全国の商品を美味しくいただくことができるのです。

物流

流通の中で企業から企業へ物を運ぶ大切な役割を担うのが物流です。

現在の物流はとても発達しているため出来立ての食品をすぐに運ぶことができます。

常温の配送だけでなく、チルド車で冷蔵や冷凍の食品も安全に運ぶことができます。

また、巨大な冷蔵庫や冷凍庫のような倉庫もあるので保管も問題なく行えます。

輸入について

食品を輸入するコンテナ船

食品は国内で製造されたものだけでなく、海外で製造されたものも流通しています。

食品メーカーが使用する原料も海外から仕入れる必要があるものは、輸入された原料を使います。

輸入は飛行機や船のどちらかで行われ、保存期間が長いものは船で輸入した方がコストはかかりません。

原料の輸入

海外でしか入手できないもの、コストパフォーマンスなどの面から輸入された原料を使用することもあります。

海外の原料を使用する場合、「原料原産地表示制度」にもとづいて原料の産地を表示する義務が全ての食品にあります。

こちらの法律は平成29年9月1日からスタートし、猶予期間は令和4年3月31日まででした。

現在は必ず原料原産地表示制度を守らなければなりません。

食品の輸入

パスタやワイン、牛肉など海外ブランドが確立されている食品や海外で大量生産できる食品はそのまま輸入されます。

最近ではお菓子の輸入商品もよく見かけるようになりました。

SNSでの情報発信によって世界中の食品を知ることができるようになり、需要が増えた結果です。

輸入には専門知識が必要ですが、輸入を行なっている問屋もあるため日本国内に輸入した食品を届けることができるのです。

食品の品質を保つために

品質を確かめる店員

私たちが美味しい食品を食べるためには、保存の技術が不可欠です。

私たちの手に届くまで、食品を安全な状態で保つために様々な工夫がされています。

食品を製造するとき

製造した食品をそのままの状態で販売することはできません。不衛生ですぐに腐ってしまいます。

安全に届けるために食品は袋や瓶、缶といった包装資材で包まれます。

包装資材にも食品に適した素材があり、それぞれ適したものが選ばれています。

他にも工場内を清潔に保つこと、異物混入を防ぐこと、適した室温に保つことなど品質保持のためにいろいろな対策がされています。

食品を運ぶとき

包装された食品は、さらに段ボールやコンテナといった丈夫で壊れないケースに入れられます。

丈夫な梱包にすることで、配送時の衝撃で包装が破れないようにしています。

配送に使うトラックは常温のものが通常ですが、食品の場合チルド車という冷蔵・冷凍機能を持ったトラックを使うことも多いです。

食品を保管するとき

食品を保管するときは、食品が劣化しない環境にすることが大切です。

室温はもちろん湿度も一定に保ち、直射日光が当たらない清潔な場所が必要です。

保管していた在庫を出荷するときは賞味期限の近いものから順に「先出し」を必ず行いましょう。

また、食品を取り扱う際は傷づけないように扱うことも大切です。

サプライチェーンマネジメントについて

流通を理解する上ではサプライチェーンマネジメントの知識が欠かせません。

サプライチェーンマネジメント(SCM)の仕組み上の図のように原材料の仕入から消費者が商品を手にするまでの「もの・金・情報」の流れのことをサプライチェーンマネジメントと呼びます。

その商品に関する情報を全て共有することで、全体的な効率化や、商流の透明性を高めることができます。

サプライチェーンマネジメントが注目される理由

ビジネスモデルの変化

私たちがものを買う場所はリアル店舗の他に、Eコマースもあります。

Eコマースは特にそうですが、自社で物流に取り組む企業が増えてきています。

そうなると全体的な商流を考える必要があり、まさにサプライチェーンマネジメントが重視されるのです。

消費者のニーズの変化

Eコマースなど販売チャネルの多様化により、私たちは欲しいものを簡単に購入することができるようになりました。

企業は消費者のニーズにもっと応えいていこうと、多様な商品を揃えます。

そのため、需要と供給のバランスを以前より考える必要があり、そんなとき商品を余分に生産しないようサプライチェーンマネジメントを重視する必要があります。

さいごに

普段何気なく購入している食品が私たちの手に渡るまでどのような過程を経ているか調べてみると、とても奥が深いことが分かります。

今回は流通について解説しましたが、食品自体も研究を重ね製造されています。

食品について知ることで、自分の生活の質を向上させましょう。
また、サプライチェーンマネジメントについて詳しく解説した記事もあります。

ぜひそちらもぜひあわせてご覧ください。

あわせて読む
サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?意味やメリットなど基本を理解しよう

まとめ

食品が消費者に届くまでの流れを知って流通の仕組みを理解しよう!

食品が消費者の手に届くまでに、原料メーカー・生産者、食品メーカー、問屋、小売店を経由します。また、企業から企業へ食品を運ぶために物流は欠かせない存在です。

日本における流通の仕組みは効率化されています。ただ食品をはやく届けるだけでなく、食品の品質を保つ工夫もされています。加えて多様なニーズにこたえるため海外から原料や食品を輸入する場合も多くあります。正しい流通を理解して、生活の質の向上に役立てましょう。

キーワード

  • 流通
  • 輸入
  • サプライチェーンマネジメント