2024.03.22

食品パッケージにおけるエコとは?包装という観点からエコを考えてみましょう

レジ袋有料化や紙ストローへの切り替えなど、実際に私たちの身近で取り組まれている「エコ」はどんどん増えています。脱炭素社会やカーボンニュートラル、SDGsなど世界的な活動もよく聞くようになりました。

スーパーマーケットなどのお店で購入する食品のパッケージにもエコは取り入れられています。役目を果たしたらゴミとして処分されるパッケージこそ、エコを積極的に取り入れていく必要があります。

この記事では、食品パッケージにおけるエコについてどんな取り組みがされているのかご紹介します。取り組みを知ることでエコ活動やビジネスに役立てていきましょう。

食品パッケージの役割と環境問題

食品パッケージの役割

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食品パッケージの役割は、食品の品質維持・保護、情報伝達、食生活の向上です。

  • 品質維持・保護
    食品を包むことによって汚れや衝撃から中身を守り、また傷みにくくなるため腐食を防ぎます。
  • 情報伝達
    パッケージにデザインや文章を印刷することによって消費者に適切な情報を伝えます。内容量や原材料など法律で表示しなければならないと定められたものもあります。
  • 食生活の向上
    包装技術によってレトルト食品や冷凍食品など簡単に調理できる便利な食品であったり、一食に適した量の包装や長期保存ができる食品を作ることができます。

食品パッケージを取り巻く環境問題

食品パッケージはプラスチック素材でできているため、プラスチックごみによる環境問題と密接な関係があります。

プラスチックの焼却による地球温暖化、プラスチックごみによる海洋汚染、マイクロプラスチック問題など解決すべき問題は多いです。

20230908_02_plasticfree02こちらは全国各地に流れ着いたプラスチックごみの量です。

流れ着いたということは海を漂ってきたことになります。さらに言えば、流れ着いたごみだけなので海にはさらに多くのプラスチックごみが浮かんでいると想定できます。

エコ(環境配慮型)パッケージ

エコ(環境配慮型)パッケージとは、パッケージの機能をそのままにリデュース・リユース・リサイクルを考慮して作られたパッケージのことです。

  • リデュース
    生産に使う資源やゴミを減らす
  • リユース
    再利用できる
  • リサイクル
    資源として再利用

環境問題を解決するため、より再利用しやすいようになっています。

例えば紙でパッケージを作ることによってリユース・リサイクルしやすくする、詰め替えのできる容器を繰り返し使ってごみの量を減らすという方法があります。

環境に配慮したパッケージ素材

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バイオマスフィルム

バイオマスフィルムとは、バイオマスプラスチックを使って作られたフィルムのことです。

バイオマスプラスチックとはサトウキビやトウモロコシといった植物由来の原料からできたプラスチックのことです。

バイオマスフィルムも焼却することによって二酸化炭素は発生しますが、その二酸化炭素は原料となった植物が光合成により吸収したものになります。

つまり、燃やすことによって二酸化炭素の量がプラスされるわけではありません。この考え方はカーボンニュートラルに通じます。

バイオマスインキ

パッケージにデザインを印刷するためのインキもバイオマスにすることができます。

こちらもバイオマスフィルムと同様に、原料が植物由来のためカーボンニュートラルの考えを実践することができます。コストが上がることなく、かつ印刷の仕上がりも通常のインキと同等のため取り入れやすいエコ素材となっています。

バイオマスフィルムもバイオマスインキも、認定済みであれば使用していることをPRできるマークをパッケージに印刷することができるので、企業としても環境問題への取り組みを消費者へアピールすることができます。

素材を紙にすることでプラスチックごみを減らすことができます。

紙だけで構成されたパッケージ、紙とフィルムの貼り合わせで構成されたパッケージの2パターンがあります。

全てを紙にすることが難しくても、紙とフィルムの貼り合わせにすることで従来よりもプラスチックの使用量が減ります。

パッケージで食品ロス対策

食品ロスの現状

現在、日本における食品ロスは年間522万トンあると言われています。これは、1日で大型トラック(10t)約1,430台の量になります。とてつもない量の食品が捨てられてしまっているのです。

522万トンという数値は、家庭から捨てれられる食品と事業で捨てられる食品が合わさった数値です。家庭系の食品ロスは247万トン、事業系の食品ロスは275万トンあります。

食品ロスによって食糧不足・飢餓や廃棄のコストアップ、環境への負荷が増えてしまうといった問題が引き起こされています。

食品パッケージに機能性を持たせることで、品質維持・保護の機能もアップさせて食品ロスを減らす対策に繋げることができます。

鮮度保持で賞味期限延長

パッケージに鮮度保持機能を持たせることで賞味期限延長をして食品ロス対策ができます。

特にカット野菜、もやしなど傷むスピードが早い青果物のパッケージに鮮度保持機能を持たせることがよくあります。これは植物の呼吸にアプローチして機能性を持たせています。

他にも酸素の通りをなくして酸化を防いで鮮度保持を行うパッケージもあります。食品パッケージを工夫するだけで賞味期限延長に繋がり、エコな取り組みを簡単に行うことができます。

適量を包装する

内容量が多くて食べ切ることができず、食品が劣化したため捨てなければいけないという経験があるのではないでしょうか。

パッケージを小さくして内容量を少なくすれば、食品が余ってしまうということも減るはずです。これはメーカー側が行う対策になりますが、実際に最近は個食タイプの食品も増えてきています。

また個包装された食品が入った商品やチャック付きの商品もあるため、消費者としてはそういったものを購入することで食品ロス対策に貢献することができます。

消費者でも出来るパッケージエコ

バイオマス素材のパッケージを購入する

バイオマスマークとバイオマスプラマーク

バイオマス素材を使用したパッケージにはマークが印刷されていることが多いです。認定されればバイオマスマーク、あるいはバイオマスプラマークが表示できるため一つの判断材料となります。

積極的に、環境にやさしいパッケージで包まれている食品を購入することでカーボンニュートラルを実践することができます。

普段よく買っている商品もバイオマス素材でできたパッケージかもしれません。素意識を向けることで少しでも環境問題を改善していく行動を起こすことが大切です。

アップサイクル

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アップサイクルとは、捨てられるはずのものに新しい価値を与えて再利用することです。リサイクルと言葉は似ていますが、アップサイクルの場合は資源に戻さずそのまま再利用します。

食品パッケージのアップサイクルというと少し難しいかもしれませんが、実際にバッグやペンケースへアップサイクルする取り組みも行われています。

アップサイクル自体まだそれほど広がっていない取り組みなのでこれからどのような動きが増えていくか期待も高まっています。

 

まとめ

食品パッケージにおけるエコとは?包装という観点からエコを考えてみましょう

バイオマス素材や機能性向上による賞味期限延長など、食品パッケージも環境に考慮したものを選択することができます。

役目を果たしたらゴミとして処分されるパッケージこそ、エコを積極的に取り入れていく必要があります。カーボンニュートラルの考えを実践できるバイオマスフィルムやバイオマスインキ、食品ロス対策につながる賞味期限ができる機能性フィルムなどがあります。そういった素材からできているパッケージが使われている食品の購入をすることで消費者でもエコ活動に参加できます。

キーワード

  • 食品パッケージ
  • カーボンニュートラル
  • エコ