2024.02.12

OMOとは?小売企業が注目するオンラインとリアルを融合させた新時代のマーケティングを解説

ECなどオンラインでの買い物や活動が当たり前になったいま、小売企業の間ではOMOが注目されています。

カスタマーエクスペリエンスを向上させ、消費者に選ばれるお店となるためにはOMOはとても大切なマーケティング戦略です。

この記事ではOMOの基礎や取り組み事例など、OMOを理解する上で欠かせない情報をお伝えしていきます。

OMOとは?

OMOとは、Online Merges with Offlineを略したマーケティング用語であり、オンラインとオフラインの融合という意味になります。

もっと詳しくいうと、ECやアプリなどオンラインにある消費活動を行う場所とオフラインのリアル店舗の垣根をなくし、カスタマーエクスペリエンスを向上させることです。

OMOではシームレスな買い物体験を提供することができます。

店舗で物を選び決済を自動で完了させることができれば、会計の時間がなくなってより快適な買い物になります。

そのお客様自身の買い物情報を紐づけることができていれば、アプリで広告配信などパーソナライズ化された情報を提供することができます。

OMOを行うことによって、これまでとは全く違う買い物へ進化させることができるのです。

OMOが注目される理由

OMOが注目される理由は、「モノ消費」から「コト消費」への消費活動のシフトです。

ただモノを購入して所有するだけでなく、所有しているモノから得られるプラスの価値や買い物全体を通して得られる体験や経験を重視することがコト消費です。

さらに最近では「トキ消費」も提唱されるようになりました。トキ消費とは、その場所でしか体験・経験できないトキを楽しむという価値観のことです。

OMOを実施することでその企業独自の買い物体験を消費者に楽しんでいただくことで、ファンの獲得につながります。

買い物全体を通したカスタマーエクスペリエンスの向上によりコト消費・トキ消費の経済圏で生き残っていくことが重視されています。

O2O・オムニチャネルとの違い

O2Oとの違い

O2Oとは、Online to Offlineの略であり、オンラインを利用してオフラインへ消費者を促すことです。

オンラインで配信した広告を元にリアル店舗へ来てもらうというようにオフラインが主体となったマーケティングになります。

もちろんそういったリアル店舗への来店促進もOMOの中には含まれていますが、O2Oはオンラインとオフラインをはっきり分けているところに違いがあります。

オムニチャネルとの違い

オムニチャネルとは、消費者と小売企業が接することのできるありとあらゆるメディアを利用して販売促進を行うことです。店舗はもちろん、CMやチラシ、SNSなどオンラインもオフラインも全てを含みます。

オンラインもオフラインも全てという点ではOMOと同様です。オムニチャネルはそれぞれを切り離して利用していますが、OMOでは全てをシームレスにつなげるというところに違いがあります。

OMOを行うことで消費者のデータをより正確に集めることができるのです。

OMOで何ができるの?

スタマーエクスペリエンスの向上

OMOの最大の特徴は、カスタマーエクスペリエンスの向上です。

カスタマーエクスペリエンスとは、顧客体験と訳され、商品やサービスの購入や買い物の一連の体験や経験のことです。つまりコト消費やトキ消費と同じです。

シームレスな買い物、SNSでバズっている商品の購入と共有、推しの愛用しているものと同じ商品を購入するなどカスタマーエクスペリエンスを向上させるためにもOMOは欠かせません。

特にリアル店舗を持つ小売企業にとって、オンラインとオフラインをうまく融合させることができれば新しいビジネスモデルの開拓も十分可能です。

正確な購買データを収集する

どの消費者がどの広告を見てどの商品を購入したのかなど、消費活動全体でのデータをより正確に収集することができます。

今まで因果関係を見出すことが難しかった項目でも、OMOを行うことによって関連性を発見することができるかもしれません。

OMOはどちらかというと消費者の視点に重きを置いたマーケティングですが、購買データの収集は企業にとっての大きなメリットとなるでしょう。

パーソナライズ化・リテールメディアとの連携を進める

オンラインとオフラインを融合させて各消費者に紐づいた購買データを収集することができれば、パーソナライズ化をより深くすることができます。

アプリの所有者に向けてパーソナライズ化された広告やクーポンの配信をしたり、来店時にクーポンを配信してついで買いを促すということも可能です。

リテールメディアとも関係してきますが、OMOによってパーソナライズ化を深掘りしてこれまでとは違った販促や広告の打ち方をとることができるようになります。

OMOの具体例

モバイルオーダー

モバイルオーダーはさまざまな場所で見かけますし、実際に利用したことのある人も多いのではないでしょうか。

モバイルオーダーを利用することで、レジに並ばずに食べたい商品を購入することができます。お店に着いたら席に行き、その場でアプリからオーダーも可能です。

消費者の利用履歴を元に興味のありそうな広告やクーポンを配信したり、お店に到着した時にお知らせを流すという試みも見られます。

モバイルオーダーのおかげで、人気のあるお店で飲食をしたいのに行列に並ばなければいけないというイメージはなくなりつつあります。

アプリと連動した買い物

アプリと連動した買い物もOMOの取り組みの一つです。特に中国では積極的にこの仕組みが取り入れられています。

アプリで商品を購入し、自宅がそのお店から3km以内にあれば30分で配送される。商品に表示されているコードを読み取り、商品に関する情報を閲覧する。

などアプリを連携させることによってオンラインとオフラインを融合させた買い物が可能になります。

また各消費者に紐づいた購買データを買い物全体の流れを通して把握することができるため、より正確なデータを収集することができます。

カメラ認証による自動決済

自動決済を導入することで、レジのないシームレスなお店を実現することができます。

お店に配置されたカメラやセンサーによって消費者が何を手に取ったかを判断し、ゲートを通るだけで決済が完了します。

人手不足と言われるいま、自動決済は小売企業側にとっても効率化というメリットがあります。セキュリティの課題はありますが、無人店舗を運営することができる可能性に期待が高まっています。

日本ではまだ馴染みはありませんが、海外では実際に自動決済が導入されているお店が運営されています。

まとめ

OMOとは?小売企業が注目するオンラインとリアルを融合させた新時代のマーケティングを解説

OMOとは、ECやアプリなどオンラインにある消費活動を行う場所とオフラインのリアル店舗の垣根をなくし、カスタマーエクスペリエンスを向上させることです。

モバイルオーダーやアプリと連動した買い物、自動決済など実際にOMOは私たちの暮らしの中で活躍しています。OMOを実践することによってカスタマーエクスペリエンスの向上や正確な購買データーの収集、リテールメディアとの連携促進といった様々なメリットを享受することができます。

キーワード

  • OMO
  • カスタマーエクスペリエンス
  • リアル店舗