2023.07.30

段ボールとは?段ボールの基本や役割について役立つ知識を分かりやすく解説します

段ボールは日常生活のいたるところで使用されています。

ECで買い物をすれば段ボールで商品が運ばれ、時にはお客様用段ボールとしてスーパーマーケットで提供されます。

商品を衝撃から守ったり、商品をまとめて運ぶためには段ボールが欠かせません。また、段ボールは紙からできているため実はエコへの貢献度も高いです。

この記事では、ダンボールについて基本や役割などを分かりやすく解説します。身近にあるダンボールについて理解を深め、エコを意識した生活を心がけましょう。

段ボールとは

物流倉庫で使用される段ボール

段ボールとは、紙と紙が合わさってできた丈夫な包装資材です。主に商品を入れるための箱として使われます。

ライナーと呼ばれる平たい紙と、中芯と呼ばれる波状の紙を接着剤で張り合わせています。通常、ライナーとライナーの間に中芯が入れられます。

段ボールの製造方法

段ボールは段ボール工場で製造されています。

段ボールの製造は、段ボールシートを製造してから段ボール箱にするという大きく2つの段階に分けることができます。

段ボールシートの製造では、コルゲータという大きな機械を使用します。まずはライナーと中芯を貼り合わせます。その後、製造したいサイズに細断した段ボールシートに加工します。

段ボールシートを段ボール箱にするために、コルゲータとは別の機会で印刷と切れ込みを入れます。

通常、段ボールは畳まれた状態で出荷されます。製造の段階で段ボールを一つひとつ組み立てるのは時間もかかり、スペースをかなり取るので効率が良くありません。

段ボールの材質

段ボールの材質について簡単に説明します。

フルート
フルートとは、厚みのことです。AフルートやBフルートなどアルファベットで厚みが表されます。最も一般的なフルートはAフルートで、5mmの厚さです。Fフルートまであり、フルートが高くなるほど厚みが増していきます。
特殊なフルートとしてGフルート(0.9mm)があります。

ライナー
ライナーとは、段ボールの表と裏に使用される紙のことです。古紙の含有率、紙の重みでグレード分けされています。古紙が90%以上含まれるCライナーと、バージンパルプ紙を多く含むKライナーがあります。C5ライナーが一般的で、丈夫さを上げるためにK5、K6ライナーがよく使用されます。

中芯
中芯とは、表ライナーと裏ライナーの間にある波状の紙のことです。強度によって種類分けがされていて、強度はグラムで表されます。一般的な強度は120gで、以降160g、180g、180g強化、200g強化の強度があります。

段ボールの役割

配送に使われる段ボール

中身を保護する

段ボールは主に輸送用途に使われます。

運ぶときに段ボールへ商品を入れることによって衝撃から中身を守り、他にも水濡れや日光といった環境など、影響を及ぼす要因から中身を保護してくれます。

段ボールは一般的な材質から強度を上げることもできるため、中身に合わせて適切なものを選ぶことができます。それでも心配な場合は、緩衝材を入れると良いでしょう。

またテープでしっかり封をすることで機密性が上がり、虫や埃など外部からの侵入を防ぐこともできます。

輸送の効率化

段ボールに商品をまとめることで輸送の効率化ができます。

商品を一つひとつ運んでいては、手間もかかりますし破損のリスクもかなり高くなります。いくつも商品を届けたいときに一まとめにしておけばその段ボール箱を配送するだけで済みます。

また、識別の役割も持っています。

段ボールにデザインを印刷することで中に入っている商品を一目で分かるようにし、場合によっては封をしたテープの色などでも識別が可能です。

陳列什器の代わり

最近は、陳列什器の代わりになる段ボールも増えてきました。段ボールの上半分くらいをカットすることで、そのまま売場に並べることができます。

段ボールは陳列用にデザインが印刷されていて、売場に並んでいても違和感がありません。

商品を箱から取り出して陳列するよりも、箱を開けるだけでそのまま陳列できるため人手不足の解消にも役立ちます。

段ボールはとてもエコ

土にかえる段ボールのイメージ

段ボールのリサイクル率

日本における段ボールのリサイクル率は約95%と非常に高水準です。

これだけ高いリサイクル率を保っているのは、リサイクルシステムが確立されているからです。

家庭で出た使用済み段ボールが普通ゴミとして焼却することはまずありません。

自治体や古紙の回収業者によって回収された使用済み段ボールは原料メーカーで再び原紙に加工されます。その原紙は再び段ボールメーカーで段ボールに加工されます。そしてまた使用済みとなった段ボールがリサイクルされる、というループの仕組みが出来上がっています。

段ボールは大量に使用されていて環境に負担がかかっているのではないかというイメージを持ってしまうかもしれませんが、実は包装資材の中でもかなりエコなのです。

SDGsに貢献

段ボールはリサイクル率、CO2排出量、脱プラなどの点からSDGsに貢献できると注目が高まっています。

森林環境保護の証であるFSC認証を取得している段ボール原紙も存在します。また、段ボールという紙製品の使用を促進することで海洋プラスチック問題の解決につながります。

特に新しい包装技術でもない段ボールですが、エコという観点から考えればかなり大きな役目を担っています。

さいごに

ECの普及もあり、段ボールを使う機会はかなり増えています。

リサイクルループの仕組みが確立されていて私たちもリサイクルに協力しやすく、リサイクル率が95%と高めなのでとてもエコな包装資材となっています。

輸送時に商品を守るための重要な役割を担っている段ボールについて理解を深め、エコへの意識を高めることが大切です。

段ボールの基本や役割、リサイクルの仕組みなど、ぜひ覚えておきましょう。

まとめ

段ボールとは?段ボールの基本や役割について役立つ知識を分かりやすく解説します

段ボールとは、紙と紙が合わさってできた丈夫な包装資材です。主に商品を入れるための箱として使われます。

段ボールは、流通に欠かせない存在です。中身を保護する・輸送の効率化・陳列什器の代わりなど様々な場面で役立っています。またリサイクル率は約95%と高水準のため、SDGsやエコへの貢献度もかなり高いです。

キーワード

  • 段ボール
  • コルゲータ
  • SDGs