いま世界規模で食の選択肢が大きく変化しています。
健康志向な食事を心がける人が増える一方、さらに地球の環境問題の観点から何を食べるかを見直す人も増えています。そんな流れの中でプラントベース食品も注目を浴びている食のジャンルです。
この記事では、プラントベース食品についての説明やどのような種類があるかなど、基本的な情報をわかりやすくお伝えしていきます。
プラントベース食品とは?
プラントベース食品とは、植物由来の原料を中心に作られた食品のことです。
単に肉を減らすというより植物由来の食品を中心に食生活を送るという考え方になり、ヴィーガンの完全菜食主義とは異なります。
肉や牛乳、卵などの動物性食品を使用せず、大豆やオーツ麦、アーモンドなど植物性食品を利用した肉や乳製品の代替品が数多く開発されています。
なぜ注目されているのか
プラントベース食品が注目される背景として大きく、健康志向の高まり、環境問題、ライフスタイルの多様化が挙げられます。
健康志向の高まりは、ここ数年勢いのあるトレンドです。プラントベース食品に切り替えることで動物性食品に多く含まれるコレステロールなどの摂取を減らすことができ、また豊富に含まれる食物繊維や抗酸化物質によるアンチエイジングなどの効果が期待できます。
動物性食品となる畜産は温室効果ガス排出の大きな要因の一つであり、食肉生産のために大量の水や飼料が必要です。プラントベース食品はこういった資源の消費を削減でき、温室効果ガス排出の抑止にもなるのです。
乳糖不耐症や食物アレルギーを持つ人が増えており、動物性食品を避けながら栄養も十分に摂取できる食事の需要も増えています。また、完全でなくともたまに肉を控えてみるといった柔軟なニーズにも対応可能です。
プラントベース食品の種類と具体例
肉の代替
プラントベース食品として現在最もポピュラーなのが代替肉です。
大豆やえんどう豆を原料としていることが多く、見た目も食感も本物の肉に近づいていて小売店での商品販売だけでなくレストランなどの飲食店でも提供されています。
特にアメリカの代替肉が有名ですが、日本国内でも大豆ミートを使ったカレーや唐揚げなど食事を楽しむ幅が広がってきています。
乳製品の代替
アーモンドミルク、オーツミルク、豆乳ヨーグルトなど、多彩なプラントベース食品が登場しています。
乳糖不耐症の人でも食べることができ、低カロリーで美容意識の高い層からも支持を得ています。カフェでもミルクの種類をオーツミルクなどプラントベースを選べるようになっているところがあり、選択の幅は広がっています。
他にもプラントベースのお菓子など多様化が進んでおりますが、肉の代替食品と乳製品の代替食品が代表的なプラントベース食品と言えるのではないでしょうか。
プラントベース食品のメリット
健康面でのメリット
プラントベース食品にすることで飽和産脂肪酸やコレステロールを抑えられるため、生活習慣病などのリスク軽減につながります。
また、食物繊維が豊富で腸内環境を整え、免疫力向上やお通じ改善に効果的です。抗酸化作用のある成分も多く、美容効果も期待できます。
環境面でのメリット
畜産業に比べ温室効果ガスの排出量が少なく、地球温暖化防止につながるとともに、水や穀物など飼育コストの消費も減り、資源の有効活用もできます。
プラントベース食品に切り替えることで持続可能な食糧供給を可能にし、将来的な食糧危機に備えることができます。
多様なライフスタイルへの対応
植物性のため乳糖不耐症やアレルギーを持つ人でも安心して食べることができます。
ゆるく植物性食品を取り入れたい人にも適しており、宗教的であったり文化的な背景にも配慮できる食事スタイルとして取り入れやすくなっています。
代替肉や植物性ミルクもスーパーマーケットなど一般的なお店で購入できるため、あえてプラントベース食品にしてみるという選択肢も十分可能です。
普段の生活に取り入れるポイント
「ミートフリーデー」を取り入れる
ミートフリーデーとは、週に一度だけ肉を食べない日を設ける取り組みです。海外を中心に広がっていますが、日本でも少しずつ浸透してきているのではないでしょうか。
ミートフリーデーに設定した日は、大豆ミートを使った料理をメインにしてみるなど、とても簡単に実行することができます。
ミートフリーデーを設けることによってカロリーや脂質のコントロールにつながるだけでなく、温室効果ガスの削減にもつながります。ミートフリーデーを実施する人が増えれば増えるほどその効果は大きくなっていくのです。
牛乳の代わりにオートミルクを試す
牛乳を飲んだり、コーヒーや紅茶、シリアルに牛乳を使用している人も多いと思います。
その牛乳をアーモンドミルクやオーツミルクに変えてみるだけで、プラントベース食品を生活に取り入れることができます。
特にアーモンドミルクは低カロリーなため美容意識が高い人にもおすすめです。また豆乳もプラントベース食品であり、タンパク質が豊富なため健康維持に役立ちます。
コンビニやスーパーでも買えるプラントベース食品
プラントベース食品はいまや、コンビニでもスーパーマーケットなど私たちの身近にあるお店で気軽に購入することができます。
例えば、コンビニでは大豆ミートを使ったハンバーグ弁当や唐揚げやお菓子が販売されていたり、スーパーマーケットではアイスクリームやプロテインバー、冷凍食品など手軽に食べることのできる食品が販売されています。
飲食店でもプラントベースのメニューを取り揃えるところが増えており、家でも外でもプラントベース食品を選択することは簡単になってきています。
課題と今後の展望
味や食感で本物との差がまだある
日々進化を遂げているプラントベース食品ですが、肉や乳製品の本物と比べるとやはり味や食感が違うと感じる人が少なくないのも事実です。
食べた時に植物性原材料の風味が一瞬でも広がったり、味に深みが出しにくいという点など本物と差を感じる要因がまだ残っています。
近年、こういった問題や課題を解決するために発行技術や香料の研究が進み、動物性食品特有の風味を再現する研究が進んでいます。技術革新により今後は本物と差がないレベルにまで進化していくと期待されています。
価格がやや高め
現段階では、プラントベース食品は従来の肉や乳製品に比べて割高なケースが多くなっています。
市場が成長過程で、生産規模が限られていること、原料加工に高度な技術が必要であることなど、従来の商品と比べてコストがかかるからです。
今後市場が拡大することにより量産体制が整えばコストをすく減することができ、価格差は縮まります。海外では国が補助金を出すといった取り組みもあり、消費者の手に取りやすい価格の商品が増えています。日本でも同様に支援制度が充実する可能性があります。
研究開発や市場拡大は続く
大手食品メーカーやスタートアップ企業がプラントベース食品市場に参入しており、商品開発や研究が日々なされています。
特に細胞培養技術や発行技術を用いたプラントベース食品に注目が集まっており、風味や栄養価がさらに向上した商品が開発される見込みです。
世界的にプラントベース食品の市場は成長する見込みとなっており、今後も製品の低価格化や多様化が進むことによって、選択肢としてごく当たり前な食品になっていくのではないでしょうか。
まとめ
プラントベース食品とは?健康・環境を変える新たな食のスタイル
プラントベース食品とは、植物由来の原料を中心に作られた食品のことです。
肉や牛乳、卵などの動物性食品を使用せず、大豆やオーツ麦、アーモンドなど植物性食品を利用した肉や乳製品の代替品が数多く開発されています。健康面、環境面、ライフスタイルへの対応というメリットがあり、今後も市場が伸びていくと予想される食の分野です。
キーワード
- プラントベース食品
- 大豆ミート
- アーモンドミルク