商品開発
食品パッケージのサプライチェーンをコントロールする取り組みで、品質改善もコスト抑制も実現!
OVERVIEW
私たちも取り扱う食品パッケージは、食品の流通に欠かせない存在です。食品パッケージには、デザインや情報を伝える、中身の品質を維持する、配送・保管時に中身を保護するなど、様々な役割があります。今回は、私たちの食品パッケージの取り扱いについて、事例も踏まえて詳しくご紹介します。

事業開発部パッケージソリューション課
私たちは、軟包装を中心にさまざまな食品パッケージをご提案しています。デザイン制作や材質の選定、印刷や加工など、総合的にお客様に適したパッケージをご提案します。フィルム原紙の供給や印刷・加工工場の内製化といった一歩踏み込んだ取り組みも行っております。
CONTENTS
中部流通のパッケージソリューション
私たち中部流通は、軟包装を中心に化粧箱や容器など、全般的に食品パッケージを取り扱っています。
特にグループのプライベートブランドのパッケージの取り扱いに力を入れておりますが、食品メーカー様の開発されるナショナルブランドのパッケージも取り扱っています。
また、デザイン制作や材質の選定、印刷や加工などパッケージの製造に関するあらゆるプロセスに携わってきました。これまで培ってきた経験やノウハウをもとに、食品にダイレクトに携わる私たちだからこその提案力でパッケージの課題解決をご提案します。
私たちは、小売のグループでありながら、フィルム原紙の供給とパッケージ印刷・加工工場もグループ内に有するユニークな企業です

フィルム原紙の供給を行う昭和フイルム株式会社、 パッケージの印刷・加工を行うユニードパック株式会社が私たちのグループに属しております。
フィルム原紙の供給とパッケージの印刷・加工を自社で行うことによってコストや品質のコントロールもより行いやすくなり、また、グループ間におけるシナジーも高まります。他にも、納期コントロールによる納期短縮で商品開発スピードのアップや安定供給、サプライチェーンマネジメントの効率化など様々なメリットを得ることができます。
このように製造機能を持つ企業がグループ内に存在することで、さらに一歩踏み込んだ提案が可能となっています。
食品を守るという観点で見る食品パッケージ
食品を守るための技術
食品パッケージには食品を守るための技術が詰まっています。
中身を保護して腐敗を防いだり、高い耐熱性がありレトルト加工を可能にするといったように、その食品に適したパッケージが使用されます。食品パッケージがあるからこそ食品を流通させることができ、保存を可能にし、味を保つことができるのです。
例えば、食品パッケージには酸素や水分、光などの外部環境から食品を守るバリア機能が備わっています。これにより、食品の酸化や変色、風味の劣化を抑え、品質を長期間維持することができます。さらに、密封性やシール強度を高めることで異物混入や液漏れを防ぎ、安全性の向上にも貢献しています。
近年では、食品ロス削減や環境負荷低減の観点から、保存性と環境性能を両立したパッケージの開発も進んでいます。食品パッケージは、食品の品質と安全を支える重要な技術として進化を続けています。
軟包装フィルムの構造
軟包装は一般的に、フィルムとフィルムを貼り合わせて作られます。野菜やそのほか一部商品では貼り合わせなしの単体で使用されることもあります。
食品の袋を指で擦っても一枚のように感じるほどの薄さですが、実際は何層かのフィルムが合わさってできているのです。このフィルムとフィルムを貼り合わせることを「ラミネート」と呼びます。
フィルムを貼り合わせることによって空気の侵入を抑制したり、商品を詰めて袋にする時に加工しやすくしたりするなど、様々な機能を持たせることができます。またフィルムとフィルムは、私たちの健康に害を及ぼさない専用の溶剤を使って貼り合わせされます。
製造の流れ

一般的に、軟包装の製造工程は次の通りです。
- フィルム原紙の準備
- 印刷
- ラミネート
- エージング
- スリット
- 製袋加工
- 検査
- 梱包・出荷
印刷工程ではインクを用いてパッケージにデザインを印刷し、ラミネート工程では溶剤を使用して複数のフィルムを貼り合わせます。ラミネートの後は、エージングと呼ばれる接着剤を乾燥させて貼り合わせをより強固なものにする工程に進みます。
そしてスリット工程では、フィルムのサイズを製品に合わせて裁断します。その後は必要であればフィルムを袋形状に加工し、品質検査と梱包を行い、出荷となります。
製袋加工をしなければトイレットペーパーのようにロール状での出荷になります。この場合、食品メーカーで商品を詰めるのと同時に袋形状に加工されます。ロール状にするか袋形状にするかは、主に食品工場の設備の仕様、あるいは充填する製品の種類によって決まるのです。
品質改善とコスト抑制の事例
パートコート加工品のシール不良、さらに価格改定の打撃も
今回発生した問題は、あるお菓子のパッケージにおいて、パートコート加工を施したOPP単体フィルムの袋のシール部分に気泡が混ざっているというシール不良です。加えて原材料価格の高騰などにより値上げを余儀なくされるという問題も同時に抱えていました。
シール部分に気泡が入っていると、シール強度の低下、内容物の密封性の低下、外観不良といった問題が発生する可能性があります。一見、パッケージとしては問題ない見た目をしていても、商品がお店に並んだ際や、消費者の方が購入された時に問題が生じるリスクがある以上対処すべき問題です。
また、昨今の状況により値上げをする必要もありました。ここ数年パッケージも値上げが続いており、コストを下げづらい状況になっています。
パートコートとは?
パートコートとは、フィルムの必要な部分だけにコーティング剤(接着剤、シーラント、ニスなど)を塗布する加工のことです。

今回のパッケージは、OPPフィルム単体に接着層を部分的に塗布していました。パッケージの印刷・加工工場において袋形状にして、食品メーカー様で商品を詰めた後に、開いている箇所をシールするという加工になります。
フィルム単体のパートコート加工にすることで、袋の開封がしやすくなる、ラミネート品よりもコストがかからないといったメリットがあります。また、食品メーカー側で使用している機械との相性の問題もあるかもしれません。
フィルムの構造は貼り合わせが多いのですが、このように、メリットや商品の規格によって貼り合わせをしない単体で製造されることもあるのです。
材質の見直しで品質改善
今回発生したシール不良は、コーティング剤を塗布する際にムラが発生することで、シール時に気泡が発生するのが要因であると考えられました。
そこで、材質の変更を行いました。パートコート加工のOPP単体から、ラミネート加工のOPPとCPPの構成に切り替えています。CPPはシール性のあるフィルムで、OPPにシール性のあるCPPを貼り合わせるという構成はかなり一般的なものになります。
材質を切り替えたことにより品質の安定化に成功し、切り替え後は問題なく使用できるようになりました。
加工の見直しとフィルム原紙の自社調達でコスト抑制
材質や加工の切り替えを行う際に問題となるのがコストです。フィルム単体とフィルムの貼り合わせでは、単純に使用するフィルムの多い貼り合わせの方がコストが増えます。加えて今回は、値上げの要請もありました。
そのような状況でしたが、現在の価格よりも下げることはできなくても、値上げ分を吸収できる取り組みを行えないかと考えました。
そこで、製造工程の見直しとフィルム原紙の供給を行いました。
これまでは印刷までの加工と、それ以降の加工を別工場で行っていましたが、ラミネート品に切り替えることで一つの工場で加工が完結するようにしました。これで効率化と移送費の削減になります。また、フィルム原紙を私たちから供給することによって価格コントロールを行いやすくしました。
このようにパッケージのサプライチェーンに深く入り込めるという私たちの強みを活かし、品質改善とコスト抑制を行うことができました。
パッケージソリューション課としての今後の取り組み
取り上げた例でもメリットを出すことができたように、今後もさらにフィルム原紙の供給と、自社でのパッケージ印刷・加工の強みを追求していきます。特に一括仕入れや内製化に焦点を当てたコスト削減に注目しております。
他にも中身となる商品に合わせたフィルムパッケージの材質改善提案につなげていきたいです。改善することで、食品ロスの低減やコストの適正化にもつながると考えています。
また、私たちはスーパーマーケットグループのプライベートブランドのパッケージを多く取り扱っております。原料不足など不安定な状況が続く現在ですが、パッケージの安定供給を通じ、PB商品の販売機会の最大化を支援していきます。
このように、様々な側面に関わる私たちだからこその立ち位置を活用し、商品全体のサプライチェーンの改善に貢献していきます。