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食品ロスについて解説!現状を知って自分にできることを考えよう

作成者: 中部流通|2023.02.11

食品ロスとは、食べられるはずだった食品が捨てられてしまうことをいいます。ついつい食べ物を買い過ぎてしまう、気づいたら賞味期限・消費期限が過ぎていた。こんな経験ありませんか?

他にも外食での食べ残しや、スーパーマーケットでの売れ残りなど食品が捨てられる場面は様々です。

そういった廃棄は日本だけでなく、世界中で起きているのが現状です。

本来食べられるはずだった食べ物を捨てるのは、非常にもったいないですよね。この記事では、そういった食品ロスを防ぐために私たちに何ができるか、現状と対策をご紹介していきます。

食品ロスの現状

現在、日本における食品ロスは年間522万トンあると言われています。これは、1日で大型トラック(10t)約1,430台の量になります。

とてつもない量の食品が捨てられてしまっているのです。

522万トンという数値は、家庭から捨てられる食品と事業で捨てられる食品が合わさった数値です。家庭系の食品ロスは247万トン、事業系の食品ロスは275万トンあります。

さらに事業系の食品ロスを細かく分けると以下のようになります。

  • 食品製造業 121万トン
  • 外食産業  81万トン
  • 食品小売業 60万トン
  • 食品卸売業 13万トン

世界全体の食品ロスは9億トンになります。
日本は世界で14番目にロスが多い国というのが現状です。

※参考
[UNEP Food Waste Index Report 2021]
https://www.unep.org/resources/report/unep-food-waste-index-report-2021
[農林水産省]
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/

食品ロスによって引き起こされる問題

食料不足と飢餓

発展途上国や後進国では、約82,800万人の人々が飢餓に苦しんでいます。それなのに日本では先ほど述べた年間約522万トンもの食べ物が捨てられていて、とても不均衡な世界です。

さらに世界は人口増加の道を辿る一方で、より深刻な食糧不足が起きるとされています。

苦しむ国がある一方で、食べ物を捨てる国があるというのはとても悲しい現実です。

捨てるためのお金がかかる

日本では、捨てたものは焼却処理されます。

そのためにはゴミ収集車を動かし、ごみ処理場まで運んで焼却するという流れがあります。

また、どの工程においても必ず人が関わっています。本来捨てる必要がなかったものを捨てることで余分な光熱費や人件費など、お金がかかってしまうのです。

また捨てる時だけの問題だけでなく、購入する時のお金を無駄にしているということも忘れてはなりません

お金を払って購入した食べ物が、焼却されて費用がかかるなんてとても「もったいない」ですよね。

環境へ負荷がかかる

捨てられた食品が燃やされることで温室効果ガスが発生し、地球温暖化につながります。

また、食品の生産においても様々な場面で地球温暖化の原因となるガスが発生しています。化学肥料の使用や森林伐採による木々の減少、また牛のゲップも問題です。

ロスした食品が燃やされた時だけでなく、そこに行き着くまでの過程でも環境に負荷をかけていることは、ぜひ覚えておきましょう。

いますぐできる食品ロス対策

食品ロスによって様々な問題が起きていることをお伝えしてきました。

ここからは、私たち個人が食品ロスをなくすために何ができるかをご紹介いたします。

賞味期限と消費期限をしっかり覚えておく

一部の商品を除き、お店で購入した食品には「賞味期限」あるいは「消費期限」の表示があります。

こちらに記載してある日付は封を開けていないこと、適切な方法で保存してあることが前提となっています。この2つの表示の違いは次のとおりです。

  • 賞味期限 おいしく食べることができる期限
    期限まで品質が変わらないことを表しています。また、細かい日付の設定が困難なものには年月までの表示がされていることがあります。
  • 消費期限 過ぎたら食べない方が良い期限
    おにぎりやシュークリームといった傷みやすい生ものに多い表示です。期限を過ぎている場合は傷んでいる可能性が高いです。

食品を購入する際は必ず確認し、また冷蔵庫の中に期限が切れそうなものがないかチェックしてみましょう。

ふと期限切れの食品が出てきたという経験は誰しもあるかもしれません。

てまえどりを率先する

 

2022年の流行語トップ10にも入った「てまえどり」という言葉。皆様はご存知でしょうか。

スーパーマーケットやコンビニで売られている商品は、賞味期限・消費期限の早いものから順に前へ並んでいます。

一回では食べきれないため少しでも期限の長い商品を購入しようと、奥に並べられた商品を手に取る人が多いのです。

そして、期限の短い商品が売れずに捨てられてしまうという問題が起こっています。

こうした現状が問題視されて「てまえどり」という言葉が誕生しました。

「他の誰かが買うだろう」ではなく、自分から率先して「てまえどり」を行い、期限内に食品を消費しましょう。

必要な分だけ食材を購入する

 

料理のために購入した野菜や肉などの食材も捨てないことが大切です。

セールをしていたからついつい買い過ぎてしまい、気づいたら冷蔵庫の中で腐っていたなんて勿体無いですよね。

どれだけ必要か一度考えてみてから購入するようにしましょう。

また、購入した日付をメモしておくことも有効な手段です。どうしても食べきれないと思ったら、冷凍保存をしておけば長持ちします。

買い物に行く前に、家にどの食材があったか確認していくことも大切です。

スマホにメモをする、写真を撮ってお店で見ながら買い物ができるようにするなど、様々な対策が可能です。

 小売店ができる食品ロス対策

お店でも様々な食品ロス対策をすることができます。今回は食品パッケージに主点を置いて、2つの対策をご紹介します。

ハーフパックで少量目の商品をつくる

恵方巻きの大量廃棄が問題となっているなど、食品ロスに対するニュースを耳にする機会が増えました。

恵方巻きなど季節ものを食べるのは風情があり、その季節になると食べたくなりますよね。

小売店としても商品を求めて来てくれたお客様全員に購入して欲しいという気持ちがあります。

欠品をしないためにとにかくつくるのですが、つくりすぎてしまったり、一商品の量が多くて「食べきれない」という声もあります。

そうした問題を解決するために、ハーフパックの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

多すぎる商品にハーフパックを使い、二つに分けてみることで今まで購入を踏みとどまっていたお客様も手を伸ばしてくれるかもしれません。

そうしてお店での食品ロスを減らすことができれば、お客様との良い関係を築くこともできます。

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肉の鮮度保持ができる真空袋を使う

お店で売られている肉は、白トレーなど食品トレーにラップで包装されていることが一般的です。

消費期限は短く、お店で捨てないといけなくなることも多いと思います。

食品トレーではなく真空袋を使うことによって消費期限を少しでも延長すると、お店にとっても購入されたお客様にとっても食品ロス対策につながります。

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