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なぜ世界中で脱プラスチックが注目されているの?脱プラ推進の理由や国内外の取り組みをご紹介します

作成者: 中部流通|2023.09.08

いま世界中で脱プラスチックが注目を浴びています。

脱プラスチックとは、プラスチックでできた袋やペットボトルなどのプラスチック製品をできるだけ使わない、製造しないという行動のことです。

ここ最近の具体的な例としてレジ袋の有料化によってエコバッグの使用を促したり、飲食店での紙ストロー提供や使い捨て容器を極力使わない動きなどが挙げられます。

動きが活発になってきた脱プラですが、なぜこれほど注目されているのでしょうか。

この記事では脱プラが世界中で注目されている理由や、脱プラの国内外における取り組みについて分かりやすく解説します。

プラスチックごみによる環境問題

脱プラスチックが注目される理由は、プラスチックごみによる環境問題です。

プラスチック製品によって私たちの生活が豊かになる反面、役目を果たしてごみとなったプラスチックは現在地球の環境に大きな影響を与えています。

地球温暖化

プラスチックと聞くとリサイクルされているイメージがありますが、全てが新しい製品に生まれ変わっているわけではありません。

プラスチックは焼却されます。プラスチックは石油でできています。石油でできたプラスチックが焼却されると温室効果ガスが発生します。

そのため、少しでもプラスチックの使用量を減らすことが地球温暖化防止につながるのです。

海洋汚染

海には私たちが想像するよりも多くのプラスチックごみが漂っています。通常のプラスチックは溶けないため、海水の中に入っても漂い続けます。

環境省の海洋ごみ実態把握調査によって、日本全国で漂着したごみの量が発表されています。令和2年度の漂着ごみ品目上位10種(全国、必須項目、個数ベース)の中にもプラスチックごみは入ってきます。

これらは全国各地に流れ着いたプラスチックごみの量です。

海に漂っているごみも含めばさらに多くのプラスチックごみが漂っていると想定できます。

マイクロプラスチックによる健康被害

マイクロプラスチックとは、5ミリ以下の細かいプラスチックごみのことです。プラスチックごみが海に流され紫外線や波の衝撃によって砕かれてマイクロプラスチックとなります。

プラスチックは溶けることがないため、餌と一緒にマイクロプラスチックを食べた魚など海の生物たちの体内に留まります。

私たちは魚を食べるため、万が一マイクロプラスチックを体内に留めた魚を食べれば、今度は私たちの体にマイクロプラスチックが入ることになります。

そうなった時、プラスチックが私たちの健康に及ぼす影響が懸念されています。

日本におけるプラスチックごみの問題

大量の使い捨てプラスチックごみ

使い捨てプラスチックだけでも日本は年間471万トンも廃棄を出しています。

使い捨てプラスチックの量は、世界で見てもトップから4番目とかなり多いことが分かります。

私たちの生活に欠かせないプラスチックですが、日本がプラスチックごみ大国になっていることは紛れもない事実です。

最近はプラスチックごみを減らすための取り組みも盛んになってきていますが、一人ひとりがプラスチックごみについて真剣に考える必要があります。

廃プラスチックの輸出と輸入規制

日本で廃棄されたプラスチックごみは実は国内だけで処理がされているわけではありません。プラスチックごみの「再資源化」のためにアジア諸国へ輸出されています。

プラスチックごみを資源として購入した方が、プラスチックの原料を生産するよりも安いからです。

特に中国では経済の急速な発展に伴い世界中からプラスチックごみを購入する中、日本のプラスチックは品質が良かったので日本のプラスチックごみは他のものと比べて高値で取引されていました。

しかし中には汚れの付着したプラスチックごみも含まれていたため、その処理にかかる手間により労働環境が悪化し、使えない部分が大量に廃棄されてしまうという環境問題が発生しました。

この問題に対策を取るべく、中国はプラスチックごみの輸入を段階的に禁止しました。行き場を失ったプラスチックごみは、今度は別のアジア諸国へ輸出され始めたのです。

リサイクル率はサーマルリサイクルが大半を占めている

日本のプラスチックリサイクル率は、およそ84%前後となっています。

8割を超えているのでとても高い水準のように思えますが、実際にはほとんどのプラスチックが焼却されています。

プラスチックリサイクルの種類は、エネルギー変換のサーマルリサイクル、再利用のマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルの3種類があります。

このうちサーマルリサイクルが日本では大半を占めており、プラスチックごみを燃やした際に発生するエネルギーを再利用しています。つまり、結局のところプラスチックごみはほとんど燃やされているということです。

プラスチックを再利用してモノを生み出すマテリアルサイクル・ケミカルサイクルの割合を増やしていかなければなりません。

日本における脱プラの取り組み

プラスチック資源循環法

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)が2022年4月からスタートしました。

プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国へのプラスチックごみ輸出規制に直面している今、プラスチック資源を日本国内で循環すべくこちらの法律がつくられました。

リユース、リデュース、リサイクルの3Rにリニューアブルを加えた「3R +Renewable」が基本原則とされ、さらに6つのマイルストーンが設定されています。

資源循環型経済を目指すべく、様々な条項が定められています。

レジ袋の有料化

ラベルは食品包装において、情報伝達をするという役割を持っています。

商品名や内容量、賞味期限など食品の情報を印字したラベルを包装された商品に貼り付けて販売します。

生鮮食品はグラム単位で販売されることが多く、商品によって内容量も価格も変動します。そのため、トレー一枚ごとにその商品の情報をあらかじめ印字しておくことは不可能です。

世界における脱プラの取り組み

プラスチック包装税(イギリス)

イギリスでは2022年4月よりプラスチック包装税制度がはじまりました。

プラスチック包装メーカーと輸入業者が対象となっており、再生プラスチックが30%未満のプラスチック製品に対して1トンあたり200ポンド(約3万7,000円※2023年9月現在)の税金を課しています。

イギリスではプラスチックごみの総量の内訳を包装資材が半分以上を占めています。

そしてその多くの包装資材がバージン材料から生産されているので、バージン材料を再生材料に変えていくことが目的です。

発泡スチルロールの流通・販売禁止(アメリカ)

アメリカの各地において発泡スチロールの流通・販売は禁止されています。

最近では2023年4月にロサンゼルスの新たな条例で飲食店や小売業者などを対象に発泡スチロールが禁止されました。

ただし、輸送時に品質を保持する必要のある生鮮食品は例外として発泡スチロールの使用を認められています。

ファストフード店出の使い捨て容器規制(フランス)

フランスのファストフード店では、2023年1月より使い捨て容器の使用が規制されました。

コップや皿、スプーンなどの使い捨て資材が禁止され、洗って再利用できるものを使う必要が出てきました。

使い捨て容器の規制なので、プラスチック製であっても紙製でもあって使い捨てであれば使用することができません。

脱プラに貢献できる包装資材

ノントレー包装

ノントレー包装とは、トレーを使わず袋に商品を入れて販売する包装形態のことを言います。

トレーを使用しないためプラスチック使用量の削減につながります。また、家庭でのゴミ処理が楽になる、冷凍保存もそのまま可能という消費者にとってのメリットもあります。

スキンパックほどではないですが、真空または真空に近い状態でパックするため消費期限の伸びも期待できます。

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紙製の包装資材

プラスチックが材料の包装資材を紙に変えることでプラスチック使用量を減らすことができます。

惣菜やパンの袋、お菓子の袋など実際に紙を使用したパッケージになっている商品も増えています。また飲食店ではテイクアウト容器に紙製のものを使ったり、紙ストローを提供するお店が多くなりました。

またアパレルの店舗や雑貨品の店舗では、プラスチック製のレジ袋ではなく紙袋を提供するお店をよく見かけるようになりました。

生分解性プラスチック

生分解性プラスチックとは、微生物により分解されて最終的に水と二酸化炭素になるプラスチックです。

通常のプラスチックとは違い、生分解性プラスチックは最終的に溶けるので海の中で永遠に残ることはありません。

もちろん、プラスチックごみが海に漂うということは異常事態であるため、どんなプラスチックであろうと正しく処分しなければなりません。

さいごに

深刻な環境問題を抱える現代において、脱プラスチックは注目を浴びています。

企業レベルでも、個人レベルでもできる取り組みは様々です。一人ひとりが自分でできることを考えて実行していくことが求められます。

中部流通では、脱プラスチックに貢献できる包装資材を取り扱っております。環境にやさしい包装資材をお探しの方はぜひお気軽にお問い合わせください。